患者さんに満足していただくうえで治療技術は大切ですが、それと同じくらいその方のお気持ちを理解することも大事だと考えています。患者さんがどんなことでお悩みなのか、どんな不安を抱えているのか、どんな治療をご希望なのか、そうしたことをカウンセリングで詳しくおうかがいするようにしています。

患者さんを知るためには時間がかかりますが、それでも当院は効率を重視するのではなく、「患者さんとの時間」を大切にして、できる限りゆっくりとお話をお聞きしてしっかりコミュニケーションをとるようにしています。

治療内容を決めるのは歯科医院ではなく、患者さんであるべきだと考えています。そのため問診票の項目やカウンセリングなどで、「どこまでの治療を希望されますか？」とお聞きし、それに沿って治療するようにしています。例えば、患者さんによっては「ここだけを治療してほしい」とご希望になることがあり、そうした場合にはご希望の範囲だけで治療をとどめるようにしています。その結果、1日で治療を終えられる方もいます。

もちろん、他の問題がある部分があればきちんとお伝えして、ご希望でしたらその部分もきちんと治療します。あくまでそれを決めるのは患者さんご自身で、決して「治療の押し売り」にならないようにしています。

「お金のことをオープンに相談するのは気が引ける…」という方も多いと思いますが、当院ではそんな遠慮はいりません。「今はあまりお金がないので、治療費を○円に抑えたい」ということでしたら、それに応じて治療内容をご提案します。反対に「とことんまでこだわりたい」ということでしたら、それにお応えすることもできます。また診療後、受付で診療のご予約を承る時、次回の費用の目安をお伝えするようにもしています。費用の目安がわかるので、患者さんも安心です。

費用面がネックで治療をドロップアウトしてしまうのが、一番問題だと思っています。治療を中断すると歯は悪くなる一方です。骨折や外傷のように決して自然治癒することはありません。「今月はあまりお金がない…」ということでしたら、「じゃあ、今はこれだけの治療にとどめておきましょうか」と状況に応じて治療内容をご提案させていただきます。

極端な話、他院でもいいので治療を継続してほしいと思っています。他院で通院していて久しぶりに当院へお越しになられた時、他院で治療を受けたことを申し訳なく思ったりする必要はありません。そのことについてこちらが何か思うことはなく、むしろ「きちんと治療を続けてくれていたのですね」とうれしく思います。